備忘録

本の中の食べ物や日々の道具などについて書いたり消したり直したり

本の中の食べ物

白菜漬けのふたころめ

白菜が一個百円ちょっとで購入できる季節のうちは、白菜漬けを試してます。きちんとつける道具は無いので、ジップロックを使用。 安い時に適当な量を購入します。 今回の白菜は一個で2.5キロくらい、半分で1.3キロくらいでした。まずは、ある程度に裂いて日…

ゆで卵(旅行者の朝食)

人の親になってから、子供にはたくさんきれいなものをみて欲しくなったしおいしいものを食べてみて欲しいと思うようになった。 例えばこんなふうに 父がゆで卵を剝いてくれている 。わたしが一つ平らげると 、またもう一つ剝いてくれる 。なんて幸せなんだろ…

筍となめ茸の炊き込みご飯、里芋の煮っ転がし(とらドラ!)

同じ本を何度も読み返すのが好きなので久しぶりに「とらドラ!」をまた読み返したら、やっぱり例のごとく高校生男子とはおもえない手際とメニューでびっくりした。 炊き込みご飯に里芋の煮っ転がし(すごく茶色い…)?美味しいのは確実だろうけど高校生男児…

骨の多い小形の魚の煮凝(地球)

弥勒 (河出文庫)作者: 稲垣足穂出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1987/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 取りわけこの裏浜で獲れる比目魚と赤目張が好物だった。冬の午前、薄暗い台所の棚の上に、永年使い馴れた行手の中で、骨の多い…

焼きたてのホット・ケーキ(風の歌を聴け)

珍しく、まったく食欲をそそられなかった食べ物について。風の歌を聴け (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/09/15メディア: 文庫購入: 43人 クリック: 461回この商品を含むブログ (457件) を見る 鼠の好物は焼きたてのホット・…

じゃがいものサラダのサンドイッチ(それからスープのことばかり考えて暮らした)

タイトルに「スープ」とあるのにスープより先に出てきてしまうサンドイッチたちが魅力的だ。そのなかでも、最初のサンドイッチは素晴らしい。それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)作者: 吉田篤弘出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 200…

苺とクリーム(王の帰還 )

新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)作者: J.R.R.トールキン,J.R.R. Tolkien,瀬田貞二,田中明子出版社/メーカー: 評論社発売日: 1992/07メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (33件) を見る 果物はあり余るほどとれ、ホビットの子供は…

ピザ(ピザを水平に持って帰った日)

フィンガーボウルの話のつづき作者: 吉田篤弘出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (37件) を見る 「いいかい」と店のおじさんが僕たちを見下ろしながら言った。「ピザっていうのは、水平に…

ブドヴァイゼル(虐殺器官)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 75人 クリック: 954回この商品を含むブログ (513件) を見る 「バドワイザーは、このビールの名前をいただいた商標名なのよ。バドワイザーの缶をち…

コロッケ(実説艸平記)

間抜けの実在に関する文献―内田百けん集成〈6〉 ちくま文庫作者: 内田百けん出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (13件) を見る 馬鈴薯を摺り潰して裏漉しにかけてマッシュを作り、おや指…

ハムの上に卵を六つ(ホビットの冒険)

ホビットの冒険 オリジナル版作者: J. R. R.トールキン,瀬田貞二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/12/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 94回この商品を含むブログ (18件) を見る 「(略)それはそうと, ベッドと朝ごはんは, よろしくおねがいし…

油揚(御馳走帖)

御馳走帖 (中公文庫)作者: 内田百けん出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/09/18メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 30回この商品を含むブログ (54件) を見る じゆん、じゆん、じゆんと焼けて、まだ煙の出てゐるのをお皿に移して、すぐに醤油をかけると…

サクランボのジャム(カラマーゾフの兄弟)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)作者: ドストエフスキー,亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/11/09メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 89回この商品を含むブログ (190件) を見る 「サクランボのジャムはどうだ? この店に置いてあるん…

山羊の胃袋(オデュッセイア)

ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)作者: ホメロス,松平千秋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/09/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 23回この商品を含むブログ (38件) を見る 「誇り高き求婚者の方々よ、わしのいうところを聴いてくれ。ここ…

トンカツ(アシャとピストル)

水晶萬年筆 (中公文庫)作者: 吉田篤弘出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/07/23メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (18件) を見る 「それで帰りにトンカツを食べた。他にもハンバーグや焼売やナポリタンのことが頭をよぎったが、こ…

ハムの脂に浸したパン(ファイター)

われらの時代・男だけの世界 (新潮文庫―ヘミングウェイ全短編)作者: アーネストヘミングウェイ,高見浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/10/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 37回この商品を含むブログ (43件) を見る 「あんた、ハムの脂にパンを浸す…

ハム入りマカロニに粉チーズをかけたの(エーミールと探偵たち)

「エーミールと探偵たち」の最初にでてくるシンプルながらも美味しそうな、食事について。 エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))作者: エーリヒ・ケストナー,ヴァルター・トリアー,池田香代子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/06/16メディア: 単…

ビターを六パイント(銀河ヒッチハイクガイド)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)作者: ダグラス・アダムス,安原和見出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/09/03メディア: 文庫購入: 39人 クリック: 347回この商品を含むブログ (367件) を見る 「ビターを六パイント」フォード・プリーフェクトは…

パン・チーズ・肉(中世の城日記 少年トビアス, 小姓になる)

13世紀イギリスの住み込み小姓の少年トビアス・バーチェスの日記としての絵本。中世というとどこの国やら時代やら曖昧なまま文字だけだと参ってしまうのだけど絵本なのできっちりイメージできていい。 中世の城日誌―少年トビアス、小姓になる (大型絵本)作者…

チョコレートチャンクスコーン(恋物語)

化物語シリーズではミスター・ドーナツが印象的なのだけど、このお話ででてきてぐっときたのはここ。 恋物語 (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 481回この商品…

トーストとコーヒー(裏ヴァージョン)

ふと読み返したくなって読み返したのでメモ。ああ、この作品ってポケットモンスター金銀ヴァージョンのご時世を描いたお話なのだなあ、と感慨深くなった。ローソンで予約とか前作の赤緑は一緒に買ったとか。 裏ヴァージョン (文春文庫)作者: 松浦理英子出版…

チャーハン(とらドラ!)

チャーハン力という文字列を見たことがある。 おそらくブログとツイッター。 どこだったか忘れてしまってるし検索しても探せなかくてチャーハン力(りょく)かチャーハン力(ぢから)のどっちだったのか不明瞭。どの意味合いで使われてたかも不明瞭。 仕方な…

ダンキン・ドーナツ(走ることについて語るときに僕の語ること)

体重増加と体力低下を憂いて、走りはじめようと思ったときに、この「走ることについて語るときに僕の語ること」を手に取った。 思考は混沌に落ち入りやすいもので、まとまった「走る」ことについて書かれている文章を読めば多少はコントロールできるんじゃな…

オムレツ・サンド(それからはスープのことばかり考えて暮らした)

オムレツはプレーンなものが好きなはずなのだけど、スペイン風オムレツについて。 「それからはスープのことばかり考えて暮らした」と題名に「スープ」と入ってはいるが、まずは「サンドイッチ」の物語で始まるお話だ。 オムレツ・サンド以外にも誘惑的なサ…

手製のバタパン(弥勒)

貧困状態の物語に出て来る食べ物ってなかなか忘れられない。特に稲垣足穂はハイカラな物語と極貧の随筆・小説のギャップがそう思わせてくれるのかも知れない。 稲垣足穂の「弥勒」にはそんな印象深いものが沢山ある。挙げたいモノがありすぎるので、まずはい…

種入りの焼菓子(ホビットの冒険)

食べるのが好きでおもてなしが好きなホビットが食べるものはことごとく美味しそうだし、ドワーフの食べっぷりも良い。 最初に取り上げたい食べ物があったのだけどページを失念してるのでまずは最初から。 ホビットの冒険 オリジナル版作者: J. R. R.トールキ…

レンズ豆(ヘンリ・ライクロフトの私記)

「ヘンリ・ライクロフトの私記」は作者ギッシングが創作した人物ヘンリ・ライクロフトの私記だ。 空想上の人物について騙られているお話。私記ってものを覗くことは、一般的な生活ではタブーだけれど、創作された日記ならば後ろめたさ無しで読む事が出来る。…

ウェルシュ・ラビット(三匹のめくらのねずみ)

子供の頃、アガサクリスティの描く食事の風景が、美味しそうで大好きだった。 しかし、大体がどんな料理か全然想像できない。 でも、最近は画像検索ができるお陰で、やっと分かるようになった。 「ウェルシュ・ラビット」もやっと分かった料理の一つだ。 「…

芥子飯(御馳走帖)

貧乏な状態での食の話は切実で好きだ。そこまで困窮したこと無くても身につまされてしまうのはなんでだろう。 内田百閒の「芥子飯」を最初に読んだのは、福武文庫「ものづくし」だった。冒頭の部分の価値観から、共感を抱いてしまう。「人の羨む地位を得た後…

屑肉パイ(イギリスのある女中の生涯)

女中として過ごしたウィニフレッド・グレース夫人の人生の記録についての本。 イギリスのある女中の生涯作者: シルヴィアマーロウ,Sylvia Marlow,徳岡孝夫出版社/メーカー: 草思社発売日: 1994/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブロ…