レンズ豆(ヘンリ・ライクロフトの私記)
「ヘンリ・ライクロフトの私記」は作者ギッシングが創作した人物ヘンリ・ライクロフトの私記だ。
空想上の人物について騙られているお話。私記ってものを覗くことは、一般的な生活ではタブーだけれど、創作された日記ならば後ろめたさ無しで読む事が出来る。
この本、イギリスの食に対する話題がとても楽しい。イギリス料理への非難に対する反論が特に楽しい。
ライクロフトは「貧乏ながら執筆稼業で生きてきたが、終生年金で余生を過ごしている」という設定の人物なので昔の困窮生活のせいで食に対するエピソードが熱い。
そして困窮生活と言ったらあの豆が出てくる。
- 作者: ギッシング,平井正穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1951/01
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
私はレンズ豆とか隠元豆とかいう名前を聞いただけでむやみと腹がたってならない。
(岩波文庫「ヘンリ・ライクロフトの私記」P235より)
レンズ豆はいつでもどこでもどこかしら憎まれてる文章をみる。この本でも出会うとは思わなかったので楽しかった。ついでに隠元豆まで憎まれてて、驚いた。
私自身はレンズ豆も隠元豆も、大好きなのだけれど。