備忘録

本の中の食べ物や日々の道具などについて書いたり消したり直したり

飯のうえに見たことのない黄金色のソース(波のうえの魔術師)

 老人と青年版「マイフェアレディ」なのかな?序盤の老人と青年をみていると、魔女に変身させてもらったシンデレラを見ているような快楽がある。

 この話の中で、一番ぐっときてしまったのが老人の少年時代のエピソードだった。そこに出てくるカレーライスもとても印象深い。

店に入ったわたしはランニングシャツを着た男にみんなが食べてるものをくれと注文した。すぐにさじをのせた皿が返ってくる。飯のうえに見たことのない黄金色のソースがかかっていた。土間の隅で立ったままひとさじすくい、十四歳のわたしは口いっぱいほおばった。うまかった。涙がでた。

(文春文庫「波のうえの魔術師」Pより)

 カレーってなんでこう魔性めいた魅力あるんだろう。

 切実なシチュエーションのカレーにはいつも心奪われてしまう。絶対に無理だけど、このひとさじを私もあじわってみたい。 

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