備忘録

本の中の食べ物や日々の道具などについて書いたり消したり直したり

本の中の食べ物

飯のうえに見たことのない黄金色のソース(波のうえの魔術師)

老人と青年版「マイフェアレディ」なのかな?序盤の老人と青年をみていると、魔女に変身させてもらったシンデレラを見ているような快楽がある。 この話の中で、一番ぐっときてしまったのが老人の少年時代のエピソードだった。そこに出てくるカレーライスもと…

キュケオーン(ホメーロスの諸神讃歌)

「デーメーテール讃歌」といえば、ペルセフォネーがハーデースに攫われる話だという印象が強かったけれど、読んでみると、娘を捜して放浪してるデーメーテールのパートがけっこうある。 その娘探索中のデーメーテールが所望したキュケオーンというなじみのな…

ママレード(くまのパディントン)

「暗黒の地ペルーからきた密航者」というフレーズが衝撃的すぎて、児童文学っていいね、と久しぶりに思いましたよ。 スーツケースひとつで密航してきたクマの無邪気な態度が、愉快すぎていい。この作品もいちいち美味しそうなものが多いけどまずは、これ。 …

油揚げ、甘辛く煮て(つむじ風食堂の夜)

油揚げが好きだ。 でも厚揚げだって好きだし、当然豆腐も好きだし、ついでにオカラも好きだ。 大豆製品、大体好きなんじゃないのって思うところもあるけど、なぜか特別に油揚げが好きだ。 「つむじ風食堂の夜」に出て来るさりげない油揚げ料理がまた美味しそ…

ベーコン・エッグズ(キャッチャー・イン・ザ・ライ)

ある程度歳をとってしまってから読んだので、何も感じられないかと思っていたけのだけれど、楽しめた。 このお話の中で朝食について面白いなあと思った部分がある。 キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)作者: J.D.サリンジャー,J.D…

セスピアン(すぐそこの遠い場所)

この誘惑されるデザートが出てきたのは二つで一セットの本だった。 最初に私が手に取った本は、ちくま文庫「クラウド・コレクター」。語り手の祖父の残した数冊の古い手帖にまつわる物語だった。 新版 クラウド・コレクター (ちくま文庫)作者: クラフト・エ…

スペイン風オムレツ(パリ仕込みお料理ノート)

オムレツはシンプルで混ぜ物が無い方が好み。たまごがとろとろで、バターの香りがして程よい塩加減のが一番。だけれど、 パリ仕込みお料理ノート (文春文庫 (307‐1))作者: 石井好子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/05メディア: 文庫購入: 1人 クリッ…

名前のわからない食べ物(アライバル)

移民のお話のはず。台詞は一言も無い絵本だった。とある男が妻子を残して異国に旅立つ。詳しく説明するよりは読んだ方がいい本だろう。 アライバル作者: ショーン・タン,小林美幸出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/03/16メディア: 大型本購入: 5人 …

肉饅頭(ファウスト第一部)

岩波文庫「ファウスト」第一部で分からない食べ物があった。 ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)作者: ゲーテ,Goethe,相良守峯出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1958/03/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (65件) を見る いつも…

パプリカ・ヘンドル(吸血鬼ドラキュラ)

「吸血鬼ドラキュラ」を読んで驚いたのは、これが日記と手紙と新聞記事と電報さらには録音日記で構成された小説であったことだ。 録音!1897年の録音機なんて古典の怪奇小説に出てくるとは全く想定外だった。 小説「吸血鬼ドラキュラ」は西の技術(速記・新…